冬の展示のお知らせと館長随想。

こんにちわ。
「早良美術館るうゑ」です。

いつも「早良美術館るうゑ」のブログを
見て頂きありがとうございます。

最近まで冬はいつ来るのだろうと思っていましたら
今日はぐんと寒くなりました。
各地でも突風や竜巻で被害があったりと
天候も不安定です。
皆様どうぞ気をつけて下さい。



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 さて、今回は次回開催のお知らせと
「早良美術館るうゑ」でも常設しております。
『松田正平さん』によせて館長が「正平さん、つれづれ」と題し
記しております随想を、連載開始致します。
是非、御一読下さい。

『塚本猪一郎』さんの個展も
11月12日までとなっております。
どうぞ、お越し下さい。

それでは次回ご案内です。











『近藤克美作品展』
2006年11月15日(水)〜12月03日(日)
















ー館 長 随 想ー


正平さん、つれづれ
私記 松田正平 その一



松田正平さんの訃報は折からの滞在地、広島県福山できいた。
ニ〇〇四年五月十四日深夜のこと。
読売新聞小林清人記者から自宅に電話が入り、
受けた家妻が福山の実家あてに連絡してきた。
翌十五日、私は福山誠之館高校同窓会に
出席した後、福岡に帰った。
各紙いずれも葬儀の日程を記していた。

一瞬福山から宇部に向うことも頭をよぎったが、
やはり威儀を正して福岡から出立すべきだろう。
五月十六日午前の「ひかり」車中、
正平さんの葬儀はどんなだろう、と想像した。
思わずして香月泰男画伯葬儀のシーンが浮かんできた。

一九七四年三月十七日、所は三隅町明倫小学校体育館。
いまからちょうど三十年前のこと。
この四月には山口県立美術館で「香月泰男没後30年展」が催され、
その初日香月婦美子夫人に挨拶したばかりである。
香月泰男画伯葬儀を私は取材した。カメラマンと音声さんの三人。
その壮大な儀式にわれわれは半ば圧倒された。
参列者の中の著名人数名にインタビューもした。
テレビ番組「追想・香月表男」にいたる一番最初の撮影という
メルクマールになるものだった。

正乎さんの葬儀はどんなもんだろう。
享年九十一。
地元の宇部でも多くの美術ファンや市民に愛されていた正乎さん……。
新幹線を新山口駅で降りて宇部線ホームに移動、
三十分ほど待って単線二面編成に乗車したが、
車中、同じ葬儀に向う島根県益田市からのグループに話しかけられた。
女性四人に男性一人。
その中の年輩の女性の話は印象にのこった。
 「私は正平さんの姪です。正平さんの姉の子です。
終戦直後、正平さんはちょいちょい益田の方にきて。
私もモデルになっています。夏なのでシュミーズの変な格好で」。
そうなのか、と私は彼女を見直した。
そうか、彼女なのか、と確定はできないものの、
正平さんの終戦間もないころに描かれた少女座像を思い浮かべていた。
正乎さんは島根県日原町に久保田家二男として大正二年一月十六日に生れている。
故あって五才の頃、宇部の松田家に養子として引きとられる。
日原町や益田市に正平さんの血縁者は多いはず。
機会をつくって一度、正平さんの生れ故郷をたずねてみたい、
そしてモデルになった姪の彼女も含めて縁者の方々に
往昔のことをゆっくり聞きたいものだ。





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終点宇部新川のひとつ手前の東新川駅で下りる。
近くの菊川画廊へ。
益田からの五人も、さらにそこではじめて出会うことになる神戸は
花岡画廊の花岡忠男氏も。 
葬儀場は近かった。
入ってすぐ記帳した。御仏前と書いた不祝儀袋を供えようとした。
だが受付担当者は一切どなたからも受けいれないと固辞される。そ
ばにその旨の謹告文が表示されている。袋は再び胸に納めた。 
時を経てだんだんその流儀の意味が分ってきた。
それは辛くて思い分りようだった。 
ロビーに東京銀座のフォルム画廊、福島葉子さんの姿を見つけた。
福島さんは宇部全日空ホテルに泊られたとのこと。
福島葉子さんは先きの香月泰男没後三十年展オープニングの際にも
お見かけしたが話しかけるチャンスはなかった。
福島さんにはただ一言、母上の故福島慶子さんへのお礼を伝えたかった。

それは香月泰男没後一年、
テレビ番組「画家・香月泰男」を制作放送した時のこと。
RKBスタジオにおける香月泰男を語る座談会にわざわざ熱海から
福島慶子さん(香月泰男が恩人と仰ぐ福島繁太郎氏夫人)に
お越しいただき貴重なお話をうかがい得たことである。
他には東京から落語家桂小南さん、別府から画家宇治山哲平さん。
司会は朝日新聞西部本社の源弘道編集委員。
ほんとうに福島慶子さんからは貴重な思い出話や批評の言葉をいただいた。
お三方の中ではとぴぬけてユニークでおもしろかった。
「香月さんは本来カラーリストなのよ」
「台所の詩人ね、とからかったこともある」などのコメントも印象にのこっている。
いまなお福島慶子さんには感謝している、
と素直に葉子さんにお礼申し上げた。 
正平さんの葬儀は簡素だった。
弔辞は一人もなかった。
会葬お礼の挨拶はお孫さんがつとめられた。
香月泰男葬儀と比べることもなかった。
どのような事情があったにしろ、これはこれで正平さんらしい、と思った。
正平さん流儀と言っていいのだろうか。 
祭壇の棺をあけて眠れる正平さんの姿を拝した。
静寂そのものであった。
遺体の横に煙草1カートン添えられていた。
ダンヒルだった。
.....





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続きは次回。


この記事は、『るうゑ通信』にて連載しているものを転載致しました。
『るうゑ通信』は、「早良美術館るうゑ」の事をさらに広く知って頂くよう
開館以来、通巻113号を数え発行しております、
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こちらからその後ご連絡申し上げます。
お手数おかけ致しますがどうぞ宜しくお願い致します。



プロフィール

sawararuhe

Author:sawararuhe
1994年5月より福岡県福岡市早良区石釜に、
小さな美術館を開いています。

美術館といいながら、美に憩う気ままな空間です。

「早良美術館るうゑ」。
(るうゑはドイツ語”Ruhè”)   

開館時間11:00am~5:00pm 毎週月•火 休館 入館料 200円
福岡市早良区大字石釜104-6
(092-803-1681)
http://twitter.com/sawararuhe

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